1000Base-T Ethernetの物理層

1000Base-T物理層には、TCM(Trellis Coded Modulation)という符号と、DFSE(Decision Feedback Sequence Estimation)という復号アルゴリズムが用いられています。この技術について、論文とかをリサーチしていました。少数の研究グループが精力的に論文を発表しています。例えばAzadetさんとか。
wikiの1000Base-Tのページによると、1000Base-Tの基本的なsignalingは以下のようになっています。

伝送路としてカテゴリ5(CAT5)以上のUTPケーブル内の4対8線のより対線を使用し、各ペアに250Mbpsの伝送速度を持たせる事で1Gbpsを実現する。片方向の伝送に4対すべてを使っているが、ハイブリッド回路を使用してエコーをキャンセルすることで4対すべてで同時に送受信が可能であるため全二重通信である。
電圧レベルを5値に分割し、1クロックで2ビットの情報を送るパルス振幅変調(PAM5)を使用することで周波数を低く抑えている。
1000BASE-Tでは8B1Q4で符号化されている。8B1Q4の符号化とは元データの8ビットごとをエラー検出ビットを付加して9ビットに直す「9ビット化」を行い、さらに9ビットのデータ(0〜511)を4対のより対線にそれぞれ「+1.0V、+0.5V、0V、-0.5V、-1.0V」の 5つの電圧の組み合わせ(54=625)に割り振る「4次元5値シンボル化」によって伝送路に送出する。

1000Base-T物理層に使われている回路ブロックについて幅広く説明している。その代わりに、あまり詳細な説明は無い。TCMやDFSEに関しても、概略のみ。

DFSEの回路構成について詳細に説明している

DFSEは、Viterbi Decoderの回路規模を削減する手法の総称であるRSSE (Reduced State Sequence Estimation)の1つです。この論文では、DFSEの更なる高速化のテクニックを紹介しています。Branch metricの計算をlook aheadするとか。

これは本当に概略のみを説明している。TCMやDFSEには数行でしか説明していない

    • 802.3abの1000Base-TのTutorial Presentation, 802.3のtutorialのwebsiteにある資料です。p43〜p48あたりにTCMの説明が書かれています。使用されているconvolutional codeのブロック図やTrellis, Partitionの区切り方とかが説明されています。ただし、DFSEの回路構成などの説明はありません