東日本大震災と原発事故でEV(電気自動車)おわた

2011年3月11日に東北地方を襲った東日本題震災と、それによって引き起こされた福島原発の事故、電力不足による計画停電によって、電機業界も大きなダメージを受けました。工場の被災もしくは必要な原材料を入手出来ないために、工場の操業率が一時的にせよ大きく低下しています。

電機業界にとってのより長期的な影響として個人的に注目していることは、日本のEV(電気自動車)の将来がどうなるかです。大震災以前は、EVの普及のゴールを区切りよく2020年として、(日本では)2020年に新車販売のうち200万台が電気自動車になる、などの市場予測をしていました。でも、原発事故のために、この予測は絶対に無理、というか、日本でのEVはおわた、と思います。

EVおわた、と思う理由をうまく纏めてくれている記事が、【井元康一郎のビフォーアフター】原発のピンチで日本のEV普及に暗雲…?とか、電気自動車の普及に暗雲 節電意識の広がりが逆風とかです。

    • EVは原子力に依存している。EVが「エコ」であるためには、EVに使用する電気を化石燃料“以外”から発電する必要がある。今までは原子力をあてにしていた。しかし、原発事故のために、少なくとも日本で2020年までに新しい原発が建設されることは有り得ない。だから、EVのための「クリーン」な電気は存在しない。
    • そもそも、「エコでクリーンなEV」という商品コンセプトが成立しない。
    • EVの普及には、充電スタンドの整備など、大きなインフラ投資が必要だが、今後数年は公共事業のお金は震災の復興に使われるので、EVのインフラ整備にはお金はまわらなそう。

きのうまで「売れる」と思っていた技術が、今日からばったり売れなくなる・・・。ああ、恐ろしい。EVを開発しているエンジニアは、中国にしか転職先が無いかもしれません・・・。