Khan Academy

Khan Academyというは、Khanさんが主宰している英語のオンライン教育資料です。小学校から大学までの様々な分野の自宅学習用のレクチャービデオがyoutubeで無料で公開されています。ただし、英語がメインです。今週のTimeのReboot the Schoolという記事で、初めてKhan Academyについて知りました。この記事の前半では、Khanさんがどういう経緯でKhan Academyを始めることになったのかや、現在、どれだけの人々がKhan Academyの教材を使用しているかが説明されています。そして、後半では、Khanさんの抱いている未来の教育についての夢について書かれています。Khan Academyのきっかけは、遠くに住んでいる姪の宿題をオンラインで見てあげているうちに、それをビデオに撮ってyoutubeで公開することを勧められて、試しにuploadしてみたところ、瞬く間に有名になったそうです。それから、Bill Gatesを初めとする大物投資家・慈善事業家から高額のdonationを受けて、ついに仕事もやめてKhan Academyを設立して、その選任講師になっています。今では、レクチャービデオの本数は3,250本にもなり、学校の授業でも15,000のクラスでレクチャービデオが活用され、1ヶ月に5百万人のunique userがレクチャービデオを見ます。日本と比較すればアメリカの方がオンラインの教材の受け入れやすい環境にあると勝手に思いますが (国土が広いので、あまり面と向かい合うことを重要視しない、例えば職場でも電話会議がさかん、あと州によっては子供を学校ではなく家庭で教育する権利を認められていたような・・)、それでも凄い実績の数字だと思います。

Khanさんの描く未来の学校教育は、新しい知識を詰め込むような作業は、子供が各自で家でKhan Academyのようなレクチャービデオを見ながら進めておいて、学校の授業は先生と生徒のインタラクティブなやり取りが含まれる作業に集中します。例えば、レクチャーの中の分からない部分のフォローアップだとか実験だとかです。しかも、各自が自分の理解度に合わせた自由なスピードで学習を進めることができます。当然ながら、それによって大きな変化に襲われる既存の学校の先生からは様々な批判を受けています。また、Timeの記事でも、ここ10年で新しいテクノロジーが次々に学校教育に導入されたが、それが本当にどれだけの効果があったのかはよく分からない、としています。

日本にいて幼い子供を持つ親としては、ちょっと羨ましいような、少し怖いような複雑な気持ちです。自分の世代にもこのような教育のオプションがあったら、もっと視野も広がったかもしれないし、英語も上手になったかもしれないと思う反面、これからの世代の子供は、英語+インターネットの力で教育までもがコモディティとして世界中にくまなく普及していくような世界で、どのように生きて行くのでしょう。

日本語のKhan Academyのサイトもあります。レクチャービデオに日本語の字幕をつけたり、日本語で撮り直したりする活動を行っているようです。