合点! 電子回路超入門

小学生の理科の教科書みたいな本です。簡単な回路の電流や電圧をオシロスコープで測定した波形がたくさん載っています。たとえば、コンデンサにAC電源を接続した時の電圧と電流の位相は90度ずれますが、それをわざわざオシロスコープで実測して、波形を載せています。趣旨としては、電子回路の理解には数式をおったりシミュレーションを走らせたりするだけでは駄目で、実測をしてみることが大切だ、ということのようです。それには全く同意ですが、いくらこの本を読んでオシロの波形を眺めても「実測」したことにはならない(実際に自分の手を動かして測定することによる理解のレベルには達しない)と思うから、いまいち目標が大きすぎる感があります。

内容は、RLCで構成される簡単なフィルタの振幅、位相特性の計算式と実測(と両者がどう関連しているか)の説明がメインです。なぜインピーダンス複素数で表すのかについて、分かりやすく説明しています。正直なところ、なんで回路の解析に虚数複素数)が必要なのかたまに分からなくなったりするので・・(汗)。あと、筆者の経歴を拝見したところ、アナデバのアプリケーションエンジニアのようです。このような人材を囲っているアナデバはやはり優良企業だなあと思います。

ただ、ちょっと本の値段には見合わない気がしますが・・・。